ボタンやホックの修理が大変な例って!?

こちらはPRADAの二つ折り財布です。ホックの交換をご依頼いただきましたが…。ピッタリと合うホックが見つかりませんでした。

交換の必要があったのがこちらのホックです。
金色に見えるホックのバネが取れていましたが、キチッと合うサイズのホックが無く、バネ部のホックを交換すると反対側の凸部の交換も必要でした。

反対側の凸部は、折り止めの中に入っています。
縫製を外して、折り部を開腹してようやく金具が見えます。

縫製を外してみると、糸のホツレだけでは無く、革の切れが発生していることも確認できました。

切れている革は、そのままでは糸を通して止めることが出来ませんので、開腹した折り部に革を追加して接着しました。
金具を取り付けた後は、元々あった不織布を入れてあります。
単に金具を交換するだけでは無く、傷んでいる部分は丁寧に補修するのが弊社の方針です。

糸がホツレていた部分も、革を入れましたので縫製が出来るようになり、糸で傷んだ部分を補修(リペア)して、さらに塗装して完了しました。
この修理方法は、お客様とお話させていただいて決めています。
安価な方法としては折り止めにボタンが見える手法があります。
お客様はオリジナルと同様の、見えない修理方法を選択されました。
修理時間が多くなるため、価格的には高くなります。

なぜこのような加工が必要なのか?それは画像をご覧いただければお判りいただけると思います。
PRADAのホックと、日本で流通しているホックの寸法が異なるため、反対側も交換する必要がありました。僅かな寸法違いですが、サイズの合う部品を使わないと長くお使いになれません。
最近は、輸入物のITARYホックを入手しましたので、ワンサイズ小さなホック交換にも対応しています。ヨーロッパのブランドはITARYサイズのホックが多いようです。

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