メンズ鞄の修理です

お持ちいただいたメンズ鞄。特に修理に出していただくほど傷んでいないように見えます。

裏側も特に悪い状態には見えません。

しかし、良く使う場所は明らかに擦れが見られます。

お客様が特に気にされていたのは、下側の四隅の傷みでした。
こちらは擦れが主な傷みです。

他の隅には明らかに鞄の革に対する傷みがあるところもありました。

修理が完了した状態はこのような感じです。
表面の色が無くなってしまって革が出ていたところは、まず接着剤を使って反りを戻して鞄の隅の形状に戻していきます。その後、若干の整形を行い、少しエッジ用塗料で形を整えます。

こちらは擦れが主な傷みでしたので、全体の下処理を行い、下塗り塗料を塗った後に本塗装を行っています。

    擦れの目立った部分も綺麗に仕上がりました。

全体の背面はこのような感じです。
お客様が気にされていた、押されて筋が付いてしまったところは見えにくくなっていますが、窪みは完全に無くなるわけではありませんので、若干の筋は残っています。BeforeとAfterの写真を拡大して見ていただければ、多少は判るかもしれません。

お持ちいただいた状態がそれほど傷んでいないと思ったのは、お客様が市販の革クリームで丁寧に手入れされていたからでした。
下処理をするときはアルコールを使用して脱脂するのですが、同時に革クリームが取れてきます。すると、元々の鞄の色が出てきました、そして革クリームが無くなった後は、擦れた鞄と元々の色合いでした。
最初にお客様が「少し濃い色」と言っていただいた理由はここにありました。お持ちいただいた時の色は革クリームの色だったのです。かなり濃い焦げ茶に調色し、全体を「濃い焦げ茶色」に塗装して完了しました。

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