CELINEハンドバッグの内側補修

お持ちいただいたCELINEのハンドバッグです。外側は傷みもなく大変綺麗です。

反対側もキズや汚れはありません。

お持ちいただいた理由は内側の傷みです。内側は合成皮革で加水分解が起きています。指で触るだけでボロボロと表面が取れてきます。

内側の上部もヒビが入ってボロボロになっている場所があります。内側4面の多くがこのような状態でした。

まずは丁寧に表面のボロボロになっている箇所を剥がしていきます。鋭利なカッターなどは使えませんので、パテナイフなどを使いながら慎重に作業を薦めます。

側面は全面を剥がす必要がありました。剥がしていない部分は筋が入っておらず、指で触っても表面が剥がれることはありませんでした。バッグ内部の下までキレイに剥がすのはコツと、焦らずに丁寧な作業を進める必要があり、時間との勝負です。

バッグの前に置いてあるものが、剥がした合成皮革の表面です。指でつまむと粉のように崩れます。

施工後はこのような感じです。ただ、元々の合成皮革の表面と触り心地は変わります。少しザラザラ感があります。

ちょっと白く見えますが、5回以上塗装していますので、白く見える部分はフラッシュの乱反射と思われます。

外側で、お客様が気にされていたのはS字ラインです。

お渡しする時に内側のザラザラ感が気になっていましたが、事前にサンプルでご説明していましたので、問題ありませんでした。

それよりも気に入っていただけたのはS字ラインの内側です。合計4本のラインを手塗りしています。

塗装前はこのような感じでした。お判りいただけますか?
ただ、このような施工は全てのバッグで行えるものではありません。わずかの塗装面積だと色作りが難しく、手塗りで行う場合はムラの問題も発生する場合があるからです。

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