本革手提げバッグのカビクリーニングと内側補修

お持ちいただいた本革の手提げバッグです。
お母様が使われていたバッグでしたが、長く保管されていたためカビが目立っていたのでクリーニングして欲しいということでお持ちいただきました。
全体に表面が白く濁っているように見えます。拡大いただければ白濁しているのがご覧いただけます。

黒い表面の右側中央付近にカビが見えますが、鞄のフタの裏側はカビではなく表面革の傷みが見られました。

鞄のフタの裏側と内側を撮影してみました。内側も傷みはありますが、圧倒的に鞄のフタ裏が傷んでいるのがご覧いただけます。

お客様に再度ご来店いただき、修理(リペア)内容を再度決めさせていただきました。
鞄のフタ裏の傷みは、表面革を削ぐ事をご了解いただきました。傷みが見られた内側はそれほど酷い状態ではなかったため「そのままで良い。」という事になりました。
カビクリーニングは全体的に行う事になりました。

鞄のフタ裏を削いだ時に発生した革の残骸です。指で触っただけでも革はボロボロと落ちてくるほど状態は悪くなっていました。しかし、全体を削ぐためには工具を使って修理(リペア)していきます。

鞄のフタ裏の表面革を全体に削いだ状態です。指で触ってもボロボロと落ちてくる表面革は残っていませんのでスッキリしました。
お客様にも仕上がり状態をご確認いただき「これなら使えますね。」と言っていただきました。

表面革は「蛇革」です。お客様もご存じでした。表面は全体クリーニングでスッキリとしたのがご覧いただけると思います。内側に使われている革と表面に使われている革は異なりますので、内側だけが傷んでしまったと思われます。
クリーニングはお客様のご予定があったため、回数を少なくしてその費用を内側の補修(リペア)に回すことで、当初のご予算内に納めさせていただきました。
カビクリーニングは「カビ菌」が相手のため、弊社では3回程度のクリーニングをお奨めしています。1回目でほぼカビは見えなくなりますが、1週間程度置いておくとカビが再度発生して、微妙に白くなる場合があります。カビ菌がまだ残っているためです。それを再度クリーニングで叩くことでカビを除去します。3回程度行うと、ほとんどカビ菌を除去できます。そのためカビクリーニングは1ヶ月程度お預かりして施工しています。
クリーニング後に保管する場合は「風通しの良い湿気の少ない場所にしてください。」という事をお奨めしています。そして「できる限りお使いいただきたい。」という事を強く推奨させていただいています。それが一番カビを生やすことを防ぐ方法なのです。

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