Levisベルトの補修依頼

Levis

お持ちいただいたリーバイスの本革ベルトです。「すでに絶版になっているタイプで、何とか修復して欲しい。」というお話でした。
「全体に統一した色に戻して、糸のホツレを修理して欲しい。」というご要望も合わせていただきました。

表の糸のホツレはこのような状態です。僅か一目のホツレですが、放っておくとドンドン糸が出てしまうことになります。

その理由は裏糸が切れているからです。
切れている理由は長年の擦れです。表糸と裏糸の太さが異なるのか゜お判りになると思います。ミシン縫いで行って場合、表糸が太く裏糸は一番手細い糸が使われます。

他にも裏糸が擦れで無くなっている箇所がありました。

擦れて無くなった糸を補修して復活した状態です。糸は購入できる糸の中から一番近い色を使用しています。当然、元々の裏糸の太さと同じ太さの糸を使用して、折り返し縫いをして強度も保つようにしています。

同様に、裏糸が無くなっていた部分を補修しています。折り返し縫いをしている所は、糸が二重になっているのがご覧いただけます。

表のホツレていた所が修復しているのがお判りいただけると思います。
表糸の方が太いので切れにくいのか?そういう訳ではありません。裏糸は糸と布の擦れが発生するのですが、表糸は擦れがほとんど発生しないために、擦れて切れる事が少ないのです。

糸補修が出来た後は、いよいよ色補修です。今回は糸がアクセントになっているベルトのため、単純に塗装することは出来ません。
糸残し塗装という手間の掛かる手法を使って、糸の色を残しながら全体補修を行いました。
色は少し濃くなりすぎたか気になっていましたが、お客様にご確認いただいた時も、大変お喜びいただけました。

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