SEIKO腕時計のベルト加工

「腕時計のベルトカットをお願いしたいのですが、出来ますか」
というお電話をいただきました。
「できますが、時計屋さんでベルトを買われた方が安いかもしれませんよ。」
とお話させていただきました。

お持ちいただいた腕時計がこちらでした。
お客様の仰る通りベルトをカットするしか、好みの長さに合わせる事が出来そうにありません。

普通の腕時計のベルトは本体左右にバネ棒という部品で止めてありますが、こちらは一枚のベルト革で作成されていました。

ベルトの長さ調整穴は沢山(上部の写真の方が判り易いと思います)開いていますので、メーカーとすれば、そこで調整できるという考え方だったのでしょう。
しかし、お客様には長すぎたようです。
先端はRカットされていますので、カット後にどの程度合わせられるかが重要です。

カットした先端とカット後にエッジ(コパ)塗料でRを再現した状態です。

エッジ(コパ)塗料だけでは光沢が出過ぎていますので、先端のカットしたところだけがテカテカと光っています。

先端部に光沢調整のための塗料を塗布して完了になります。Rに関しては当然右側の先端の方が美しいRを形成しています。
量産品は抜き型を使っているため、いくつも同じRを作ることが出来ますが、一品だけに抜き型は作れません。丁寧に直線カットを何度も繰り返してRを仕上げています。

お客様にお出でいただき、腕に時計をはめていただくと、カットして不要な長さが無くなったため、思っていた通りの長さになったようで大変お喜びいただきました。
Rの状態もご満足いただけたようです。

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