2024-10-30 / 最終更新日時 : 2025-01-26 knishikawa こんな補修も COACHショルダーベルトのカット加工 コーチのショルダーベルトをレターパックプラスでお送りいただきました。「長さが長すぎるのでカット加工を施して欲しい。」という内容でした。元々の長さは100cmを超えており、カット後の全体寸法は86cmにして欲しいという事でした。 お客様のご要望はカット加工なので、・片方だけをカットする方法・両端をカットして寸法合わせする方法の二通りの加工方法が考えられました。ベルトを詳細に確認すると吊り下げ金具が取り付けられるように幅の狭いベルトが両端に縫製してありました。両端を加工して、ベルト寸法を調整する金具をを無くすことで加工工数を減少させることも考えられましたが内側縫製なので、両端加工の方が費用が高くなるため、片方だけを加工することになりました。ちなみに、お送りいただいた物には吊り下げ金具はありませんが、こちらはお客様の手元に置いてあるとの事でした。 サイドから撮影すると、幅の狭いベルトはベルト裏側に縫製されており、上にあるベルト止めと金具止めはベルト表側に縫製されていました。 ベルト裏側をピックアップ撮影すると幅の狭いベルトが縫製されている事がご覧いただけます。上部に掲載している表側にこちらと同じ縫製跡はありませんでした。 カットする部分のベルトを分解すると、縫製は内側で行われていることが判ります。ベルトは3枚合わせで作られているという事もご覧いただけます。この作り方が両端を加工するより片方を加工する方が安価になる理由です。 寸法カットを行うと、ベルトの構造が判ります。今回は表の革と中芯と裏側の革はほぼ同じ厚さというのが判ります。カットしたベルトに、表側にあったベルト止めと金具止めベルトを取り付けるためにのカット加工の位置を確認してケガキしていきます。先端はR加工が必要なので、その位置もケガキします。 取り付ける必要がある部品と内側縫製を行うために3枚合わせのベルトを開腹しています。簡単そうに見えますが、ベルトの開腹はかなり慎重に行う必要があります。 幅の狭いベルトとベルト止めの革および金具止めの革を縫製して、ほぼ元通りになりました。しかし、カットした先端のR加工部はまだ処理が終わっていません。コパ処理をしないと、このように違和感が出てしまいます。 全ての加工を完了したベルト両端を比較して見ました。こちらは裏側です。左側が加工した先端です。ポチポチと茶色い点(糸を加熱加工で抜け防止している場所です)があったり先端のRは少し違和感が否めませんりますが、お客様がどう感じられたかは郵送なので確認できませんでした。 表側を比較撮影したものです。左側が加工していないオリジナルの状態です。右側が加工した先端ですが、それほど違和感は無いと思います。ベルトや金具はオリジナルで使われていたものを加工せずに使用していますので、違和感は少なくなります。郵送などの場合、お支払いは銀行振り込みになります。お手元に届いた物をご愛用いただけることを願って、ベルトカット加工が完了になりました。 加工した方の先端をピックアップ撮影したものです。先端のコパのブラウンもなるべく違和感の無い色で仕上げているつもりですが如何でしょうか?縫製はオリジナルで使われていた色に最も近い色と太さの糸を使用していますが、折り返し縫いをしている部分は糸が二重になりますので少し膨らんでいる部分があります。 出来上がったベルト寸法はご要望通り86cmになっています。お客様の手元にある吊り金具を取り付ければベルト全体の寸法は95cmになるはずです。このような加工はかなり細かい作業が多くなります。一工程の加工費が¥2000や¥3000であっても積み重なりますので結構高い金額になります。弊社では、お客様と完了後のイメージをお聞きしながら施工方法を検討し、ご説明しながら「ご要望」と「ご予算」を併せて検討させていただいています。今回はレターパックプラスでお送りいただきましたので、届いたショルダーベルトを確認してから、弊社からお客様にお電話をして施工内容を決めています。お電話した回数は二回でトータル時間は30分を超えていたと思います。 Follow me! Bluesky