革ジャンのファスナー(チャック)交換

革ジャンのファスナー(チャック)交換でお預かりしました。
革ジャン用のファスナー(チャック)は左右に外せる構造になっていますので、買い出しに行ってもその場で購入できる物ばかりではありません。

こちらが左右に外すために使われている金具です。見たことがある方がむほとんどと思います。この金具はメーカーが出荷する段階で取り付けられている金具で弊社では加工できません。
こちらの革ジャンも生地のホツレが出ていましたので、ファスナー(チャック)全体を交換することになりました。

ファスナー(チャック)の上部は内側に織り込んで縫製されています。
そして、ファスナー左に見えるホックが実はファスナー(チャック)交換には一番のネックなのです。
お客様にはこちらのホックを新しい物に交換することをご了解いただきました。その分、交換費用は高くなりますが仕方ありません。

ところがこのホックに代わるものが取り引きしている金具屋さんで見つかりませんでした。
それどころか、探せど探せと同サイズのバネホックは見つけられませんでした。
仕方ないので、今回はファスナー近くのバネホック二組全てを交換することにしました。涙
写真の上側が新しいバネホックです。色はほとんど同じものが見つかりました。大きさがかなり異なるのがお判りいただけると思います。

表に出るバネホックの頭のサイズはあまり変わらないですが、新しい方が少し小径です。
反対側(上の写真)と比較すると違いがほとんど判らないのではないでしょうか。

ファスナー(チャック)の交換の時には必ず外す必要があるバネホックの凸側です。上部が新しく購入したものです。サイズが異なるのがお判りいただけると思います。
本来はこの上下だけを交換すれば良いのですが、今回はその反対側の上下も交換する必要があったわけです。

ファスナー(チャック)を交換してバネホックも新しい物に交換した場所をピックアップ撮影してみました。
ファスナー(チャック)の生地の色もオリジナルに近い物を選んでいますので、違和感は無いと思います。

裏側はこのようになっています。金具を全て交換するには時間が倍掛かるのは当然ですが、今回は弊社で在庫している金具の打ち具が使えなかったことによる出費が大きく響き、ほとんど利益が残りませんでした。涙涙

上部もオリジナル同様に内側に折って縫製しました。スライダーは新しい物に変わっていますが引き手はオリジナルに付いていたものを移植しています。今回はYKKのファスナー(チャック)でしたので、新しい引き手に交換しても良かったというのは後で思った事でした。

施工完了後の革ジャン全体です。
どこを修理したか判らないようなリペア(修理)が弊社にとっては良い仕事です。
お預けいただいたお客様にご来店いただいた時は、残念ながら他のお客様がおられたために、修理のご説明はできませんでしたが、革ジャンを着ていただいてファスナー(チャック)がキチッと交換されているのをご確認いただいてお持ち帰りいただきました。

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