2021-05-15 / 最終更新日時 : 2022-06-25 knishikawa こんな補修も GUCCI長財布の色直しです お持ちいただいたグッチの長財布です。使用のために少し黒ずんでおり、右下には色ムラもありました。しかし、ブランド名やマークは印刷であり、容易に塗装作業ができる一品ではありません。その点をお客様にご説明し、ブランド名とマークの印刷が少し凸になっているため、手塗りであれば出来る事をご説明しました。しかし、手塗りで全体の色をムラ無く仕上げるにはかなりの手間が必要です。スプレーガンで塗装する価格より高くなることをご了解いただき、色直しを行うことになりました。 背面も少し黒ずんでいますが、色ムラは少ないようです。それでも下部の中央付近には色ムラが見られます。写真をピックアップしていただければご覧いたただけます。 財布を寝かして、底面部を撮影したのがこちらの画像です。色ムラが十分にご覧いただけます。 塗装色を作成して、丁寧に何度も塗り重ねます。ブランド名やマークに塗料が載らないように慎重に慎重に手塗りするのですが、こちらは根気との勝負です。塗り重ねていくうちに、ブランド名やマークの高さが近づきますので、回数を重ねるほど手塗りのスピードが遅くなっていきます。 手塗りはスプレーガンよりも色ムラが発生しやすいため、背面も慎重に行う必要があります。広い面でブランド名やマークが無いからスプレーガンを使ったらいいのに。と思われる方もいらっしゃると思いますが、エッジ(コパ)面を見ていただければ色が異なっているのがお判りいただけます。そのため、今回は全ての作業を手塗りで進めることにしました。 手塗り塗装後の状態をご覧ください。ブランド名やマークの中も丁寧に塗装していますので、違和感は無いと思います。ただ、スプレーガンで塗装した場合と比較すると、多少の色ムラは発生しています。お客様にも完了後の状態を十分にご覧いただき、ご満足いただけたようでした。ブランド名やマークがわずかに凸の状態でしたし、お客様にも手塗りのデメリットをご理解いただけたため、お受けできた一品です。お客様にお持ちいただき、どのような方法を行うかを、お互いに共有させていただいた結果できた色直しでした。必ずしも全ての物で行える手法ではありません。 Follow me!