2024-03-02 / 最終更新日時 : 2024-03-27 knishikawa こんな補修も 羊革ブーツの革切れアイデア補修 オシャレなブーツをお持ちいただきました。羊革のブーツで内側が羊の毛になっていますので大変暖かそうです。 お持ちいただいた理由はこちらの革切れでした。右側のブーツの後方が大きく切れているのがご覧いただけます。 ブーツの上部は折って履くタイプなので、裏からキレイに貼ることが出来れば、表面の切れは羊の毛で隠すことが出来そうです。 裏側を見てみると、羊の一枚革という事が判りました。一枚革の場合、裏側で補修すると補修箇所が完全に見えてしまうのが難点です。ただ、こちらのブーツは上部を折るタイプなので、通常に使う場合は幸い裏側は見えなくなります。 裏側に貼ったのは布です。本革を貼ることも考えましたが、貼った革によって上部がキレイに折れない事が考えられました。そのため、お客様にご説明して布を使用することをご了解いただきました。 布はなるべく色調の合った物を購入し、できる限り大きく貼ることにしました。万一剥がれる力が働いた場合も、面で切れている部分を支えられれば長持ちするだろうというアイデアです。 布の色が少し濃くなっている部分は接着剤が表に出ようとしているからです。ただ、その部分は革と布がきっちりと接着されています。 上部を使う状態に折りました。補修していると言わなければ、ほとんど目立たない状態に回復しているのがご覧いただけます。 左右のブーツを並べて撮影すると少し筋の入っている部分が見えます。その部分が補修したところです。なるべく羊毛で隠れるようにしましたが、切れていた部分の毛は接着剤と絡んで寝てしまったところもあったり微妙に切れたところが溝として残っていると、そこが筋となって見えるのです。 正面から撮影しました。高さはオリジナルの高さと合っています。布を使って柔軟性を重視した結果です。お客様には「通常に使う場合は判りませんね。」と言っていただけました。本来は一枚革の段階で修理(リペア)をお断りするところですが、弊社のアイデア修理(リペア)をご理解いただきご発注いただいた結果ホームページに掲載させていただきました。しかし、今回は上部を折ることから考えられた修理(リペア)方法なので必ずしもいつもできるわけではありません。参考事例としてご覧ください。 Follow me!