2024-03-09 / 最終更新日時 : 2024-03-13 knishikawa こんな補修も 革ジャンの穴開き補修(リペア) 革ジャンをお持ちいただきました。全体に擦れは見られますが、お客様にお持ちいただいた理由は左腕に開いた切れでした。 左腕の切れた状態をピックアップするとかなり切れているのがお判りいただけます。また、その周辺の擦れもかなり散見されます。 お客様のご要望は「全体の擦れはそのままで良いので、この切れを修復(リペア)して欲しい。」という事でした。 しかしお話をお伺いしていると、袖先の擦れが大変気になられるようでした。全体補修の場合は、革部全体を塗装しますのでお客様のご要望は満たせますが、部分補修と全体補修では塗料を使用する量が30倍以上も違います。 そのため、今回は切れの穴以外に気になられている袖先を残った塗料で、できる限り補修(リペア)するということでご了解いただけました。 袖先は左右にあります。そして、本来は切れ補修に使うことが一番の目的なので、その他の部分に塗装すると多少色調の差は生じます。じっくり見ると上部より若干明るく感じます。 しかし一方の袖先に塗装した色調はかなりしっくりしており擦れが無くなったのがご覧いただけます。 切れ補修(リペア)した後の色調を、ピックアップ撮影したのがこちらの画像です。多少明るく感じますが、実はフラッシュによる光の反射が最も影響しているようです。もう一つは革切れを起こしていた部分の革目がかなり無くなっているのが原因です。革切れを起こしていない場所と比較していただくと、ブツブツの状態が異なっているのがお判りいただけます。 少し離れて撮影すると、かなり革切れした周辺が判りにくくなります。実は革切れが起きた部分を補修(リペア)した時点では切れに沿った溝がかなり目立っていました。それを補修(リペア)するために革切れ周辺は柔軟なパテを多く使用して溝を見えなくしています。 全体が見えるところまで、離れて撮影すると補修(リペア)している部分はじっくり見ないと判らない程度になっています。お客様にもご満足いただけたようです。革切れが起きた部分は裏に革を使用しましたので周辺は二枚革になり厚みが増している分固くなりますが、その点もご理解いただけたようでした。あまり大きな切れには対応できない方法ですが、弊社ではこのようなアイデア補修(リペア)も含めて多くの手法を使っています。 Follow me!