2024-06-02 / 最終更新日時 : 2024-06-24 knishikawa 修理実績一覧 長過ぎるベルトのカット加工 本革のベルトをお持ちいただきました。長すぎるのでカットして欲しいという事です。一枚革で作られているタイプなので、バックル側か先端側をカットすれば出来そうです。しかし、よく見ると先端には金属の装飾が見えます。東京ディズニーランドで購入されたベルトと思われますので、先端はミッキーをイメージの装飾だと思われます。 バックルはミッキーがカウボーイとして描かれており、限定品かな?と思われます。バックル右側に見える2つの両面カシメ上にはディズニーの刻印がありますが、バックル側から加工するとこのカシメは廃棄するしかありません。 背面を見ると2つの両面カシメには刻印がありません。そしてベルトを支えているバックル側は金属のバーなので、加工は少なく出来そうです。ただ、ベルトの折り部(バックルの金属バーのところ)は若干、革削ぎをして折り部から先端は薄く加工されています。しかし、現状では革削ぎしなくても折り部は問題なさそうでした。 ベルト先端側は、本来は6つの穴だったと思われます。右側から7つ目と8つ目は穴の大きさが異なります。そして、先端側をカットした場合、新たに開けられた穴が寸法的に残ってしまうことが判りました。お客様にご説明したところ、バックル側をカットすることをご了解いただきました。 施工後のバックルの裏面です。ベルトをカットしたため、背面に合ったディズニーランドの文字が折り部で一部隠れてしまいましたが、こちらは仕方ありません。2つの両面カシメはバックルに合うような色の両面カシメを採用しました。バックルの金属バーのベルト革が少し膨らんでいるのがご覧いただけます。こちらはベルト削ぎを行わずコストダウンしているからです。すでに使われていたベルトでしたので、曲がりはスムーズにいきましたので、使用していると自然になじんでいくと思われます。また、オリジナルには折り部の中央部がカットされていましたが、おそらく同じベルト革を他のバックルでも使うように作られていたカット加工なので、こちらもコストダウンのためにカット加工は行っていません。 施工後のバックルの表側です。新しくなった両面カシメ金具も色がうまく馴染んでいると思いますが如何でしょうか? カットしていないベルト先端の金属装飾はどう見てもミッキーのイメージです。先端をカットするとこの装飾を移植するか廃棄するしかありませんでしたが、バックル側を加工していますので、オリジナルの金属装飾を残すことが出来ました。裏側に記述されていた「東京ディズニーランド」の文字も一部は残っているのがご覧いただけます。 カット寸法はお客様に指定いただいた寸法にピッタリでした、それもそのはず、実は他のベルトも同時に修理のご発注をいただきましたので、その寸法を基準にカット加工をした結果1センチの狂いも無く完了できました。ベルト加工の場合、ご要望の寸法を中央の穴で合うように加工すると、前後ひとつの穴までは許容いただく必要があります。バックルにベルトを通すと、先端の金属装飾もキチッと残っていますし、両面カシメは表に出ないことがご覧いただけます。ベルトの加工は簡単なようで、結構気の使う加工が必要です。お打ち合わせも寸法を合わせるためにメジャーを使ったり紐で合わせたりしながら行うため、結構時間をいただきますのでご理解いただければと思います。 Follow me!