CHANELショルダーポーチのシルバー色補修

シャネルのショルダーポーチをお持ちいただきました。表面にある大きなブランドマークは特に問題はなく、本体の黒い部分は布地のため弊社ではあまり補修を行っていない素材でした。

お客様がリペア(補修)されたい部分は、表面から裏側に伸びている革の部分でした。元々はシルバー色だったようです。

表面部をピックアップ撮影すると、シルバー色で囲われている「5」の数字があります。そのため、数字を回避しながら周辺のシルバー色を回復させる必要があります。

裏側をピックアップ撮影すると、今の状態は大変傷んでいるということがお判りいただけます。オリジナルでは革全体がシルバー色だったようです。

革部の表面のリペア(補修)を完了した状態です。シルバー色やゴールド色は大変難しく、オリジナル色に合わせることは大変困難です。弊社にもシルバーの塗料はありますが、そのまま塗装すると大変に沈んだシルバー色になってしまいます。

表面にキチッと色を回復させるためには、数字周辺の色落ちを十分に行わないとなりません。そのため、下処理は丁寧に数字周辺を「5」のレッドに影響が出ないようにキチッと塗装する必要がありました。


ちなみに、最終塗装ではスプレーガンを使用して塗装していますので、刷毛目などが残ることはありません。写真撮影では、いまいち綺麗に見えませんが、後はお客様のご判断次第ということになります。

お客様には、シルバー色が回復していることを大変喜んでいただけたようです。
オリジナルはシルバー色の革を使って組み立てられているので、製品になった後の塗装は手間が掛かるのがお判りいただけると思います。特にシルバー色やゴールド色は一回の塗装では綺麗なシルバー色やゴールド色は出せません。また、周辺に色が乗ってはいけないところがある場合は特に慎重に下処理を行う必要があります。今回も通常の塗装の3倍程度の時間とコストを掛けています。当然、その分価格は高くなってしまいます。

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