2023-06-10 / 最終更新日時 : 2023-06-12 knishikawa こんな補修も 帽子へのワッペン取り付け 「帽子にワッペンを取り付けて欲しい。」ということでご来店いただきました。帽子は柔らかな革でした。ワッペンを取り付けるには革にシワが出来ないように気を付けないといけません。 ワッペンは円形で、一番外の枠は2mm程度幅しかありません。ワッペンをこれからご発注される方は、一番外の枠部分は3mm程度の幅を持たせる事をオススメします。また、外枠の色は普段使わない特殊色でした。良く使われる色の糸は在庫していますが、刺繍で使われる色は色数が3倍以上になるため、別途購入する必要があります。 取り付け完了後のワッペンです。縫製は一番外側です。黒い点が連続して続いていますが、こちらは表面に出ているオレンジ色の刺繍糸の下にあるワッペンのベースの糸が見えているのです。 ピックアップ撮影するとこのような状態です。ワッペンが円形のため回転させて縫う必要があるため、一目二目縫ったところでワッペンを少しづつ動かす必要があります。そのため、外枠には出来る限り幅が必要なのです。外枠は2mm程度の幅なので、その余裕がほとんど無い事がご覧いただけます。若干蛇行している場所がありますが、寸法を測ると0.2mm~0.5mm程度です。その程度の蛇行はお許しいただくしかありません。糸と糸のピッチ(針を刺す間隔)を広げれば穴が少なくなりますが、円形タイプのワッペンではピッチ(針を刺す間隔)は余り広げられません。 帽子裏は金色の生地が使われていました。そのため、違和感が出ないイエローの糸を裏糸に採用していますので、ワッペン取り付けのための縫製もあまり気にならないと思います。中心にあるスナップボタンは最初から付いていたもので、お客様とのお話し合いで「そのままで良い。」ということをご確認しています。 ワッペンを取り付けるために新たに購入した糸がこちらです。使用する糸の長さに対して、あまりにも多くの糸が残ってしまいます。そのため、特殊色の場合は、施工価格に糸代をプラスしないと全く足が出てしまいます。購入に必要な交通費も購入品数で案分しながら買い出ししないと赤字になってしまいます。特殊色と言っているのは「今後、ほとんど使用することが無い色の糸。」という意味です。ワッペン取り付けは、ワッペンに使われている糸色が多いために発生する特殊事情なのです。 Follow me!