2024-07-15 / 最終更新日時 : 2024-08-01 knishikawa ブランドバック COACHボディバックの色直し コーチのボディバックをお持ちいただきました。色の落ちが激しくなってしまい、色を元に戻したいという事でした。 お聞きしていると、以前にも他店で色直しをしてもらったという事でした。しかし、6か月程度で色の落ちが目立って来たという事でした。 バックの背面(背中に当たる場所)も色落ちが激しく、革部全塗装ということで施工方針が決りました。 バックの底面も擦れがあり、色が落ちているのがご覧いただけます。 左右どちらの底面も擦れが起きているのがご覧いただけます。 その他に、バックの表側には革に小さな穴が開いているのがありました。全体補修を行いますから、こちらの穴も無くす必要があります。しかし、ファスナー(チャック)を縫製している糸は装飾にも使われているため、こちらをボディと同じ色に塗ってしまうとデザインを損なってしまいます。 全体塗装するには、塗装を行う前に表面の油分を落とす必要があります。ところが、その作業を行っていると、白い布に表面の塗装が落ちてドンドン移ってきます。実は最近、お客様からの依頼が多いのがアルコール除菌液による色落ちです。塗料によっては簡単に色落ちしますので十分ご注意ください。 穴が開いていた場所は、塗装する前に柔軟なパテで補修して穴を塞いだ後に塗装していますので、どこに穴が開いていたかは判らなくなっていると思います。ファスナー(チャック)を縫製している糸は塗装されていないのがご覧いただけます。 底面の擦れもキレイに色直しが出来ているのがお判りいただけると思います。少し光沢を出していますので、同じ画角ではフラッシュが反射してしまいましたので少し角度を変えて撮影しています。 反対側も同様に擦れが無くなっているのがご覧いただけると思います。こちらの画像もフラッシュが反射していますが、擦れが回復している状態はご覧いただけると思います。 バックの背面の擦れも塗装することでキレイになっている事がお判りいただけると思います。 背面全体の施工完了後はこのようになりました。当社で使用している塗料は最新の革専用塗料です。そのため、従来から使われている塗料より擦れには強くなっています。 革部全体塗装ですが「COACHのタグは塗装していません」なぜなら、ほとんど擦れが無くオリジナルの色が一番残っていたからです。塗装色を作る時もタグの背面を参照しながら作っています。お客様にお渡しする時に「バックの色ってこんな色でしたっけ?」とのお言葉が出てきました。その時に「タグは塗装していませんのでご確認ください。」と言わせていただきました。お客様としてはあまりにもキレイに色が戻っていたので驚きのお言葉だったと思います。糸残しの塗装もうまく出来ているのがご覧いただけるのではないでしょうか。 Follow me!