2025-04-01 / 最終更新日時 : 2025-05-03 knishikawa ブランドバック LOUIS VUITTONボディバックの革切れ補修 ルイヴィトンのボディバックをお持ちいただきました。バックに傷みはほとんどなく、ベルトもそれほど傷んでいませんでした。 お持ちいただいた理由はボディバックを支えている下部のベルト保持の革が切れかけていました。この部分は回転する構造になっており、金属金具で止められています。 内側の止め金具を確認すると、結構大きな金具で、星形の特殊ビスで締結されていました。特殊ビスといっても、最近は大型ホームセンターなどで販売されているタイプでしたので修理可能と思われましたのでお受けすることにしました。 分解すると4つの部品で成り立っていることが判ります。左側の革の穴が円形を保っておらず、明らかに革切れを起こしています。そのため、裏に同等以上の革を入れて、元々の大きさの穴を空けて復活させる方法を採用することにしました。 表面はオリジナルの革をそのまま使っています。新しい革に交換することもできましたが、ベルト金具との勘合部分に傷みはありませんでしたので、オリジナルのイメージを損なわないためにも革を交換せずに強度を確保しています。弊社は極力オリジナルを活かした修理(リペア)方法を考えて採用しています。今回は内側に強い革を入れることで解決しました。 内側に新しい強い革を入れて金具を保持させて、縫製はオリジナルの革に開いていた穴を活かして手縫製で仕上げています。縫製に使用している糸はオリジナルに近いイエローの5番糸を使用しました。修理店によっては糸の色や太さを気にしない修理(リペア)を行うお店もあるようですが、弊社はオリジナルイメージを極力損なわないようにするために糸の色や太さにもこだわっています。 お客様に復活したルイヴィトンのボディバックをお渡しすると、大変喜んでいただけました。唯一、金具の締め付けが購入した工具で強く締め付けられていない事をお話して、時々内側のネジを締め付けていただくようにお願いしました。 Follow me!