ゴルフバッグの持ち手作成

ゴルフバッグをお持ちいただきました。ゴルフバッグはポケットなども多くかなり縫製部分があります。

メーカーでは多くの数を作るため、縫製の順番がキチッと決められているはずです。その順番を辿っていくのは修理(リペア)する側にとっては非常に大変な事です。

しかし、今回は「持ち手部分を作って欲しい。」というご依頼でした。主にショルダーベルトを使用されるそうですが、元々付属していた持ち手のカバーが破損してしまったとの事でした。

持ち手はこちらです。カバーだけが破損したとの事で、その代わりの物を作って欲しいというご依頼でした。オリジナルの持ち手カバーはありませんでしたので、アイデアで作るしかありません。

簡単なように見えますが、持ち手カバーを作るためには図面を起こして、違和感の無い寸法を導き出す必要があります。
こちらが弊社で起こした図面です。メーカーでは量産のために必ず作られているはずですが、リペアのための1点であっても必要な場合は図面を作成します。

図面に合わせて、まずは厚紙を使用して持ち手カバーの寸法にカットします。その後、型紙に合わせて作成した持ち手カバーがこちらです。
R部分に少し出っ張りがありますが、こちらは革を折り曲げて内側に折っているためです。R をキレイに仕上げるには内側に折る部分を多くのカットでRを作っていくと良くなりますが、今回はコストダウンのためにカットを少なくしています。

オリジナルの持ち手カバーがあった箇所に取り付けました。
Rの出っ張りは気にならないと思います。色は購入する時点でレッドに作られた本革を使用しています。持ち手カバーとして使うためにボタンホックを採用していますが、こちらも本体に使われている光沢シルバーと同じタイプを使用していますので違和感は無いと思います。

取り付け後の全体はこんな感じです。お客様にも喜んでいただけました。
弊社でも時々ゴルフバッグ修理(リペア)のお問い合わせをいただきます。しかし、縫製部分のお問い合わせが多く、どちらかというと修理(リペア)費用が高くなる事が多くあります。今回は別付け部品に該当する物でしたので、お受けすることが出来ました。そんな持ち手カバーでも今回は縫製を加えていますので、作りとしては中間に位置するタイプになりました。他の方法と考えると、端面をカットするだけのコストダウン方法もあれば、費用は高くなりますが表と裏を同じ表革にして、見栄えを良くする方法もあります。