Chloe長財布のバネホック交換

クロエの長財布をお持ちいただきました。

色やコパの傷みもありましたが、お客様のご要望は違いました。

バネホックが傷んで「カチッ。」と閉まらなくなっている点でした。

バネホックをピックアップ撮影しました。本来はバネとして2本の線バネがあるはずですが、1本しかバネがありません。

バネホックの裏を確認すると、金具の裏は見えていませんでした。金具の裏が見えている場合は施工が簡単なのですが、オリジナルと同じようにするには施工時間が多くなります。

まずはバネホックの出ている部分をカットします。しかし、内側に残っている金具を取り除かないと新しいバネホックが取り付けられません。

内側から、残っていた金具を取り除きました。小さな穴から内側に残っている金具を取り除くには少し時間が必要ですが、キチッと取り除いておかないと、金具のバリで革が傷んでしまいます。

お客様とのお話し合いで「金具の裏は見えても良い。」という事でしたので、内側に金具の裏が見える施工をしています。もし、オリジナルと同じように裏が見えない施工の場合は、糸をカットして再縫製を行う施工時間が増えますので、費用は高くなります。こちらはコストダウンのための方法です。

施工を完了して、新しいバネホックをピックアップ撮影しました。バネホックには「ITALY」の文字が刻印されています。こちらはメーカーさんから部品購入は出来ないのでイタリアのバネホックメーカーの物になります。
日本で数多く流通しているバネホックは少し大きく、キチッと止めるためにはこちらの「ITALY」ホックがオススメです。弊社では日本製の物と2種類から選択しています。
もし、いずれのバネホックも合わない場合は両方とも交換する必要がありますので、費用が高くなります。
お客様も「カチッ。」と止まるようになるのを確認いただき、喜んでお持ち帰りいただきました。