NEVADA本革バッグの色補修

ネバダのバッグをお持ちいただきました。型崩れはありませんが、擦れによる色落ちが明らかです。

背面も同様に色落ちが散見されました。弊社では色補修するときは、お客様の色イメージを時間を駆けてお伺いしています。

ブラウン系なので、色は「ブラック」「レッド」「イエロー」「ホワイト」から成り立っています。色は「色調」「色合い」が重要ですが、最終的には人が持っている「感性」が最も重要になります。

弊社では必ず「100%の色は出来ませんので、お客様のイメージをお聞きして色合わせしています。」とお客様ににご説明させていただきます。

大量生産する製品の場合は、最近は色の分析機器が使われていますので、それで色合わせが出来ますが、弊社はリペア(修理)店のため、一品一品に調色が必要になりますので、そのような機器は使えません。

そのため、色についてはお客様との時間を掛けたお話し合いで「色合い」を決めています。

今回も同様に、残っている色からお好きな箇所をお聞きして、その後に色合いを決めています。
今回は背面のファスナー近くの色をご指定いただきました。弊社としては、その個所に合わせて色を作っていきます。さらにご希望の色から「少し濃い目」「少し薄め」と光沢のイメージもお聞きしています。

今回の色がお客様のイメージに近いのかどうかはお渡しするときしか判りませんが、脳内に残っているお客様の受け答えから色調を作っています。そのため、色作りは、人の「感性」がかなりの重要ポイントなのです。

全体塗装後の背面です。擦れが綺麗にに修復できているのは上の画像からお判りいただけると思いますが、全体のイメージはもっと重要に考えています。特に色ムラに関しては、全体を確認する必要があります。

バッグをお渡しする時も気に入っていただけたようでした。
弊社が使用しいる塗料は革専用塗料です。他社さんのホームページでは時々「染め直し」という言葉を見かけますが「染色」は主に布地に使われるものなので、水ですぐに色が落ちる場合があります。また、今回のようなブラウン系は靴クリームなどで近い色がありますので、それを使った修理では長く色が保てません。
弊社の塗料は革専用塗料のため「塗装」という方法を使っています。そのため、塗面は比較的強い方です。しかしながら、あくまでも表面は塗料なので擦れで色は無くなる方向には向かいます。
お持ちいただいた時のバッグが何年使われた物かはお客様しか判りませんが、おおよそご購入後に使用された同期間は保てるという品質を持っています。