2025-09-08 / 最終更新日時 : 2025-10-20 knishikawa ブランドバック ROPEハンドバックのプチリメイク ロペのハンドバックをお持ちいただきました。ほとんど使用感は無く、傷みもありませんでした。 お客様のご要望は「持ち手の根本が内側にあるため、物を入れて持ち歩く時に外側のスペースが開いてしまうので持ち手の位置を変えて欲しい。」というプチリメイクのご要望でした。 オリジナルはブランドマークの近くに持ち手の根本が縫製されていました。ブランドマークの上部に見える〇は磁石で、外側の〇と磁力でくっついてポケットのように使う構造でした。 持ち手の根本の縫製を外した状態です。縫製を外した針穴が残っているのがご覧いただけます。こちらは内側になりますので、穴はそのまま残して良いとのお話でした。 持ち手の根本の革を移動させて、新たに縫製した内側部分です。縫製は手縫製とミシン縫製とのハイブリッド施工をしています。いくつか茶色い点がありますが、こちらは糸の端面を熱処理しているポイントです。真ん中にある〇は内側と磁力でくっつく部分です。 持ち手の根本を移植した、外側部分をピックアップ撮影しました。縫製箇所はオリジナルの糸の位置に合わせていますので、違和感は無いと思います。 持ち手の根本の革は、オリジナルの縫製はI型でしたが、力を分散するために左右の縦の縫製を追加しました。外側の縫製に茶色い点はありません。糸の端面を熱処理したのは全て内側で行っているからです。 お客様には「これで使いやすくなった。」と喜んでお持ち帰りいただきました。今回、お客様のプチリメイクのご要望は実使用を考えると大変理にかなっています。磁力を使ってポケットのように使う仕様はアイデアとしては良いと思いますが、物を入れると開いてくるというのは予定外だったのかもしれません。メーカーさんはどうしてもデザインに重きを置かれますが、できれば実使用の状況は重視いただきたいものです。