お持ちいただいた状態がそれほど傷んでいないと思ったのは、お客様が市販の革クリームで丁寧に手入れされていたからでした。
下処理をするときはアルコールを使用して脱脂するのですが、同時に革クリームが取れてきます。すると、元々の鞄の色が出てきました、そして革クリームが無くなった後は、擦れた鞄と元々の色合いでした。
最初にお客様が「少し濃い色」と言っていただいた理由はここにありました。お持ちいただいた時の色は革クリームの色だったのです。かなり濃い焦げ茶に調色し、全体を「濃い焦げ茶色」に塗装して完了しました。