2021-05-01 / 最終更新日時 : 2021-05-15 knishikawa こんな補修も 本革ベルトの寸法加工です お持ちいただいた一枚革の本革ベルトです。詳しくはお聞きしなかったのですが、長すぎて余りの部分が邪魔になっていたのではと思われます。ベルト穴は右側の5ヶ所は楕円形ですが、左側の3ヶ所は丸形の穴になっています。 バックルは、ベルトの大型ホックで止めてありました。バックルを交換して使用できる仕様です。お客様とお話して、寸法を短くした時も同様の方法にして欲しいという事でした。 寸法を確認しながら裏削ぎする寸法を決めていきます。裏削ぎする理由は、バックルをホックで止めた時に革が跳ね上がってバックルが外れないようにするためだと思います。元々の作りと同じように仕上げていくのがリペアの基本です。 革削ぎをした後の状態です。約半分に近い厚みを削いで革を薄くしています。製造しているメーカーさんでは革削ぎ機で簡単に削ぐことができると思いますが、リペアはあまり削ぎ機を使いませんので、こちらは丹念に手削ぎで行っています。 革削ぎした後に大型ホックを打ち付けます。長さもここでカットして寸法が確定します。 ホックを取り付けた表側はこのような感じです。ホックサイズは最初についていたものと同サイズです。色はバックルに合わせたシルバーの艶消しで良いとの事でした。 バックルを取り付けました。 バックルを取り付けた後の裏側を撮影しました。 最初の寸法が108.5mmでした。お客様とお話させていただき、決まった寸法は96.5mmでした。若干短めにして欲しいということで、完成寸法は96.3mmになっていました。おそらく、実際にバックルをベルト穴に通すと1mm程度は長くなりますので、ご要望通りに仕上がりました。この加工は道具が揃っていれば、丁寧に行えば初めての方でも出来ると思います。しかし、革削ぎの道具やホックの打ち具の購入を考えると修理店やリペア店に依頼した方が良いのかもしれません。革細工が好きな方には、ぜひチャレンジしていただきたい作業の一つです。 Follow me!