2022-06-08 / 最終更新日時 : 2022-08-27 knishikawa 修理の知識とお知らせ ショルダーベルト交換にも3種類の方法を検討!? COACHのバックです。ショルダーベルトがボロボロに傷んでいます。 ここまで傷んでいると作り変えるしかありません。オリジナルは表と裏は同素材で同色です。ショルダーベルトにも各種の作り方があるのをご存じでしょうか?・一枚ベルト厚い革を使った、表と裏があるタイプです。縫製されていない物がほとんどです。・二枚合わせベルト表と裏が同色になっているタイプです。女性用の少し小さなショルダータイプの鞄に使われていることが多いようです。・三枚合わせベルト少し大きめのバッグに使われていることが多いようです。把手に腰を与えるために真ん中に芯材を入れている場合や、もう一枚革を入れている場合もあります。少し重たい物を入れても把手の力を保つようにするためです。今回のバッグはオリジナルは二枚合わせでしたが、ベルトの厚さをオリジナルに合わせるために、三枚合わせベルトにすることにしました。 作り変えたベルトを取り付けて完了したものです。合わせベルトにも二種類の作り方があります。・ベルトエッジ(端面)をエッジ(コパ)塗料で仕上げる物。・ベルトエッジ(端面)を折って縫製で同素材とする物の二種類です。今回のCOACHバッグはエッジ(端面)をエッジ(コパ)塗料でベルトの表裏とは異なる色にしてある作りでした。 こちらの写真には全く手を付けていない物と加工している物が同時にご覧いただけます。ブランドのタグは元々の物で全く手を入れていません。本体に縫製されていたベルト下部分(ブランドタグの少し上)も加工していません。ベルトは完全に作り変えたもので縫製も市販の糸で行っています。ベルト押さえの輪(ベルトと同じ素材)はオリジナルの物ですが、分解する必要があったため、若干手が入っています。 如何でしょうか?新しく作成したベルトとオリジナルに全く手を入れていない物の違和感はありますでしょうか? 革の三枚合わせのリペア(修理)は、時間が掛かりますので、コストが高くなります。(方法はご説明しますのでお客様にご選択いただけます。)三枚合わせのベルト作りは、①ベルトのカットを三枚。(貼り合わせてからカットする方法もあります)②カットした三枚の革を接着・縫製。③ベルトの表と裏の塗装。④エッジ(コパ)仕上げ。上記の通り、3枚合わせのベルト作りは、一枚革のベルト作りに比較すると多くの時間を要します。中心に縫製した糸は販売されている物から探しました。(さすがに糸は作れません)革目も革を購入する時に慎重に決めています。ベルトの塗装色は弊社で調色しています。光沢も含めてオリジナルに近くなりました。ベルトのエッジ色も、調色してオリジナルに合わせて仕上げています。当然、このようなベルト作りをすると費用も高くなります。ご予算に合わせた修理方法もその場で検討しますので、お気軽にお持ちください。弊社はオリジナルを大切にする修理(リペア)を基本にしています。チェーン店とは異なり、その場で修理方法をご説明して、お客様にご検討いただけるのが弊社のポイントです。 二枚合わせのベルトは下記の画像をクリックしてご覧ください Follow me!