帆布トートバックのリメイク補修

お持ちいただいたデニム調のトートバッグです。
実際はデニムよりも厚く強い帆布です。

「正面」も「背面」もさらには「底面」も「側面」も「持ち手」にも大きな傷みはありませんでした。

しかし傷みはありました。お客様が大変気にしておられたのが、持ち手の縫製下にある白いラインです。
ネームカードを入れる正面にも白いラインがあります。

そして、背面の持ち手の縫製下にも白いラインが左右にありました。

ピックアップ撮影すると、白いラインの上の方にはホツレが見られました。

ネームカードが入る反対側の持ち手の縫製下も同様に白いラインの上の方にはホツレが見られます。

ネームカード入れが無い側も同様の場所にホツレがあります。
それどころか、ホツレがさらに広がって穴が開いてしまっています。

同じ面の反対側の持ち手下も同様にホツレが広がって穴が開いていました。

弊社がご提案した補強方法は持ち手下に革を追加して縫製する方法でした。

既に開いてしまっている穴は防げますし、白いラインも革の下に隠すことが出来ます。

さらに革に幅を持たせていますので、縫製を四角い升のようにして、さらに×の縫製が加えられます。

全ての持ち手下を写真のように縫製することで、間違いなく従来の1ラインの縫製よりも確実に強くなります。(従来の縫製方法は上部の写真をご参照ください)

本革を入れたサイズは約410mmです。左右にはショルダーベルトを取り付けられるDカンが取り付けられていましたので、全周に本革を縫製しているわけではありません。

ネームカード入れがある側も同様に本革を縫製しています。
もちろん、使用した本革の革目は、元々の革と革目が合うものを使用して違和感が無いようにしています。

全体で見ても違和感は感じられないと思います。
また。敢えて410mmもの革幅を持たせたのは引っ張る力を分散させるためです。
持ち手下の縫製から、斜めに白いラインがあり、そのライン上にホツレがあり、状態の悪いところは穴が開いてしまっていました。410mmの本革を縫製すると引っ張り強度が1点に集中せずに少しでも分散させる事が出来るとのアイデアです。

お客様には、お打合せの時から弊社のご提案に耳を傾けていただき、本革を縫製することで穴や白いラインを隠し、違和感を無くす方法を快諾いただきました。
強度を保てる革の選定から、革目も合わせるという弊社からの提案をお客様に信じていただき、革の買い出しなどに多くのお時間をいただきましたが、大変に喜んでいただけたリメイク補修でした。

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