FENDIショルダーバックのリペア

FENDIのショルダーバックをお持ちいただきました。エナメルとメッシュを使ったオシャレなバックです。

エナメルで作った文字がブランド名とデザインを形作っています。しかし「F」が90度回転しているところ以外の文字が何かおかしな状態になっています。

ピックアップ撮影すると90度回転している「F」と比較するとエナメルの表面が無くなっています。縫製はキチッと残っており糸のホツレは見られません。

しかし、一文字一文字を確認するとエナメル表面が完全に無くなってしまっています。エナメル表面の下地だったと思われる生地の糸が飛び出ており、なぜこのようになったのかが不思議でした。

「E」の文字は、文字の端面に糸がホツレて白い糸が飛び出ているのが沢山あるのが確認できます。

「N」の文字も同様ですが、文字を縫い付けている黒い糸は全く問題がありません。しかし、黒い糸の端面は完全に白い糸が見えており、表面のエナメルとその下の黒い生地も無くなっているのがご覧いただけます。

どうしてこのような状態になったか、お客様に聞くのは失礼だと思いましたので、施工する場合のお見積りをさせていただきました。
一文字に掛かりそうな時間を推測して見積もらせていただきましたが、決して安い金額ではありませんでしたが快諾いただき、施工させていただくことになりました。

まずは下地作りです。この施工の場合は下地作りが一番重要と判断し、塗料を入れるところは極力平面に作る必要があります。

施工中ではまだまだ凹凸が無くなっていないのがお判りいただけます。
施工方法を考えると、すべての文字の縫製外して、塗装して表面を作った後に再縫製する方法も考えましたが、縫製時に1mmもズレてしまうと台無しになってしまいますので、今回は縫製を外さない方法を選択しました。

こちらが表面リペア後の状況です。残っていた「F」の文字と比較するとフラッシュの光の反射が少し異なるようですが、人の目で見た場合はそれほど違和感のないように完了しました。

全体でみるとこのような感じです。残っていた「F」の文字の周囲が白いのは生地の側面が見えているからです。弊社でリペアした文字は生地の側面がかなり薄くなっていたこともあり、側面は全て黒い側面になっていますが、こちらは塗料が入って下地として機能しているからです。今回の施工では、側面の色を白にまで戻すのはちょっと現実的ではありませんので、これをどのように判断いただくかは、弊社としても不安です。

バック全体をフラッシュ撮影すると、残っていた「F」文字もリペアした文字も反射しているのがお判りいただけます。
お客様にお渡しすると「さすが!」と言われて大変満足してお持ち帰りいただけました。Googleのクチコミにも評価いただき「感謝しかありません。」というお言葉をいただけました。
弊社としては極力努力したつもりですが、その出来具合も喜んでいただけたので疲れも一気に吹き飛びました。
お見積りの金額は、想像し得る施工時間から算出していますが、お客様も心配されていたようで「見積り通りで本当にいいんですか?」と言っていただけました。実際はお見積金額では時給1000円以下になってしまいましたが、お持ちいただいた一品の見積りは、お受けした時のリペア内容に変化が無い場合は、見積り通りの金額しかいただきませんのでご安心ください。

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