GUCCIショルダーベルトの長さ加工

グッチのショルダーベルトをお預かりしました。長さを15cm程度伸ばして欲しいという事でした。
単純に継ぎ足すというわけには行きません。「革目」「色」「エッジ(コパ)」「縫製の有無」「継ぎ足し方」などを事前に考える必要があります。

継ぎ足しする箇所も大切です。今回はショルダーベルトの金具に固定されている部分に継ぎ足すことにしました。

ショルダーベルトの金具側の縫製を外して分解を開始しました。
ベルト革は2枚合わせで、エッジ(コパ)は縫製した後に施工されています。

まずは伸ばす寸法の革を取り付けます。
「エッ。色が違うんですけど……。」と思われるかもしれませんが、ブランドバッグの色は基本的に独自の色合いを持たせている場合が多く、全く同じベルト革など入手できません。
今回、この革を選んだのは「革目」がベルト革と近く「厚さ」や「柔軟性」も近かったからです。

単純に継ぎ足しているわけではありません。4枚の革はそれぞれ継ぎ足しのために事前に革削ぎしています。革削ぎしておかないと、ベルトに大きな段差が発生してしまいます。そして、継ぎ足し部のエッジはそれぞれの革の厚みを考慮して、敢えて段差を付けているのがご覧いただけます。

継ぎ足しを終えた状態です。
金具を取り付ける側も革削ぎしているのがご覧いただけます。
4枚の革を交互に挟み込んでいますので、明るい革と焦げ茶色の元々の革が手をつないでいるように見えます。

縫製を終えて塗装し、エッジ(コパ)塗装したところをピックアップして撮影しました。
継ぎ足した部分に少し厚みがあるのがご覧いただけます。革削ぎで薄くしすぎると耐久性に問題が出ますし、厚いままでは不格好になってしまいます。厚みの違いを許容いただけるかどうかはお客様の判断にゆだねるしかありません。

金具への取り付けも完了しました。外側に見えている革はオリジナルのベルト革です。

取り付けた裏側を撮影したものです。
「革目」「色」「エッジ(コパ)」「縫製」の状態もご覧いただけます。
糸の色が少し光っているように見えますが、糸だけは作ることができませんので、購入できる革縫製用糸の色から一番近い色を選択しています。

施行完了後の全体画像です。
全体の「革目」「色合い」「エッジ(コパ)」などの違和感はありますでしょうか?また、継ぎ足した部分がお判りになるでしょうか?
お客様に「(継ぎ足したのが)全然分からないわね。」と言っていただけました。継ぎ足し部の厚さも違和感は無かったようです。色合いや革目も気に入っていただけたようでした。
ショルダーベルトはこのように作れば継ぎ足しは可能ですが、工数はかなり多くなりますので相応の金額になってしまいます。特に時間が掛かるのは革削ぎです。同じ厚さで削いでいるわけではありませんので、削ぎながら厚さ合わせを行う必要があるからです。また、オリジナルのベルト革と違和感が出さないための調色は特に重要です。

Follow me!