CHANELショルダーバックのホック交換

シャネルショルダーバックをお持ちいただきました。本体周辺やショルダーベルトにも特別な傷みは見当たりません。

お持ちいただいた理由は、本体のホックが「カチッ」と閉まらないという事でした。

CHANELの刻印があるホックですが、止めるためのバネがほとんど見えなくなっています。

ホック裏には金具が見えません。本来は、ホック金具を止めてから内側袋部を縫製しています。これは一般的な方法で、別に珍しい作り方ではありません。しかし、同じように金具裏を見えないようにするには大きく分解する必要があります。

お客様に
➀「ホック金具の裏が見えないように袋部の縫製を外す方法」
②「裏側にホック金具が見える方法」
をご説明いたしました。お客様は「安い方で。」と裏側にホック金具裏が見える方法をご選択いただきました。
ホック金具の裏が見える止め方がこの方法です。内側なので、特に違和感を抱かれる方は少ないのではないでしょうか。
上記2つの方法以外に、金具を隠すために裏に生地を貼って見えなくする方法もあります。しかし、その方法は生地の剥がれが発生する事や、全く同じ生地を入手できたとしても金具だけよりも段差が発生するためオススメしません。裏を気にされる方はオリジナルと同じように、縫製は発生しますが➀の方法をオススメしています。

新しいホック金具がこちらです。「ITALY」の刻印があるのが判ります。こちらは輸入品です。上下にバネがあるのがご覧いただけます。
日本で作られているホック金具は微妙に大きく、海外ブランドで使われているバネホックの交換で使用すると、僅かな使用期間でも「カチッ」と止まりにくくなります。その時もバネは残っている事を経験した結果、輸入品のバネホックを使う事にしました。日本で流通しているバネホックとはおそらく0.2mm程度の差ですが、バネホックについては本来の寸法の金具を使う事をオススメします。

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