全周の革切れと一直線に亀裂が入っている部分は全て補修しました。
入口革の縫製の糸は「糸残し」という塗装方法を取っていますが、若干は糸が塗料を吸ってしまう場合もありますので、それは仕方ありません。糸下の色は元々の色から表面が擦れて革色が出ているラインです。その下の少し焦げ茶色になっている部分もオリジナルの色です。
一番下のラインは革が切れて無くなっている所も多くあったため、下革を入れて補修した後に塗装しています。一番上の塗装と同じ塗料ですが、焦げ茶色のラインを消すことも考えられますので、塗る回数は2回程度に留めています。それでも敢えて塗料を入れているのは、表面革色が擦れて無くなってしまっているからです。