2021-02-04 / 最終更新日時 : 2022-06-25 knishikawa こんな補修も LOUIS VUITTONの化粧用バック補修です お持ちいただいた小物入れ用のバックです。持ち手の片側の革が切れてしまっています。 持ち手下の革が切れているだけなので、部品を作れば修理できます。 分解して、切れていない方の部品を取り出します。それを型紙として2枚の部品を切り出しました。中央にある部品が取り外したもので、その左右が新たに切り出した部品です。簡単そうに見えますが、小さな部品のため、1mmも違ってしまうと取り付けが困難になります、しかし強度を考えて大きくできるところは大きくします。切り出しは慎重によく切れる工具で作成しました。基本的にヌメ革を使っていましたので、同素材を使用しました。ただし、切れていた補修のため、厚さは元部品の倍ほどの厚さの革を使用しています。こちらの厚さも取り付けに問題の無い範囲で決めています。 まずは元の穴に差し込みます。倍の厚さになっていますので、ピンセットを使って丁寧に入れていきます。新たに作った部品のエッジは塗装しているのがご覧いただけます。この施工を行うことで、革を切った部分から傷むことを抑えることができます。もちろん、オリジナルも同様の施工がされていることを確認しての加工です。 単に縫製するだけでは糸が抜けやすくなりますので、裏に当て布を接着することで十分な強度を確保しています。右は縫製を完了した状態です。糸は上面で見ると2本の縫い目で固定しています。その後左のように当て布を接着しています。 取り付け後の状況です。ヌメ革なので、あえて塗装はしていません。持ち手の色が少しくすんでいるのは使用されていたからです。塗装しなかったのは、新しい部分も少しづつ近づいて行くからです。 持ち手の根本の革は左右とも交換してあります。厚さを倍にしているため、長く使っていただける修理ができたと思います。周囲は化粧品が付着していたものをクリーニングしておきました。お客様にお渡しした時に「綺麗になっている!」と喜んでいただきました。写真ではわかりにくいのですが、お客様に喜んでいただけましたので、大変に嬉しいお言葉でした。 Follow me!