2021-02-06 / 最終更新日時 : 2022-06-25 knishikawa ブランドバック LOUIS VUITTONバッグの全体補修です 遠方のお客様から送られてきたルイウィトン手提げ鞄です。事前にお電話いただき、修理したいところはお聞きしていました。 ところが、お客様が気にされていなかった、ベルトを吊り下げる本体側が切れそうな状況でした。カシメ金具の上部が一直線に色が無くなっているのがお判りいただけます。 お客様が気にされていた革の締結紐も擦れで、かなり色が無くなっています。 底面の四隅の擦れも、お客様が大変気にされていた場所です。 しかし、傷みはそれ以外にも目立っていました。 ベルトの左右の擦れもかなり気になりました。 お客様とのお話し合いで、一番傷みの激しかったところも修理することになりました。ベルト裏に、元々のベルトと同程度の厚さの革を貼り付けて、新たなカシメ金具で本体に取り付けます。これで十分に強さは回復し、これからも長くお使いいただける状態に戻せました。 エッジの塗装を終えると違和感はありません。 ただ、カシメ金具はメーカー名が無い物になってしまいます。金具の上部にあった一本線も補修しています。 お客様が気にされていた底面の擦れは四隅ともキレイに補修しています。ルイヴィトンは、本体表面に色を多く使う鞄が多いため、この補修がほぼ限界で。一色に塗装することはできますが、その場合はお客様と十分にお話させていただいてから決めています。今回も、お客様は全体を塗り直すことも考えておられましたが、本体表面に二色の色が使われている事をお伝えして、修理方法を決めています。 気にされていた締結紐も色が蘇りました。ただ、革の割れが激しく、擦れによってまた革が割れてくると、色はまた落ちることになりますが、それは仕方ありません。 上部の擦れも補修して回復しているのがご覧いただけます。 送られてきた時に、締結紐を抑える部品がありませんでした。こちらは弊社の手作り品です。お客様が気に入らなければ、単純に抜いてしまうこともできます。遠方のお客様でしたので、この部品についての評価はお聞きできていません。 ベルト左右の補色も行っていますので、全体がスッキリしているのが、写真でも見ていただけるのではないでしょうか?オリジナルを大切にする修理を心掛けていますので、金具交換は最小にして仕上げています。そのため、修理は大変でしたが、お客様には感謝のメールをいただきました。 Follow me!